株式会社イシワタ

電鋳地紋

「こんなに繊細に緻密に表現できるってありそうでない。
オンリーワンのモノを、日本の精神的なモノを作っていきたいというのが。
電鋳(電気鋳造)はそれを象徴しているような気がしますね。」

水戸岡 鋭治氏
(NHKプロフェッショナル仕事の流儀より)

2017年に運行開始した、横浜と下田とを結ぶ豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS」。コンセプトは「美しさ、煌めく旅」。眩いロイヤルブルーの車体と、金色に輝く王冠のエンブレムは、煌めく旅の最初の煌めきとして、乗客を魅了します。

デザイン設計を指揮されたのは、歴然たる鉄道デザインの第一人者、水戸岡鋭治氏。水戸岡氏が手懸ける豪華観光列車の最大の特徴は、類いなき車両デザインを実現すべく、木工細工、ガラス工芸、金属加工といった選ばれし匠の粋(すい)を結集させ、上品で趣ある空間に仕立て上げるところにあります。

そうした匠のメンバーに、「THE ROYAL EXPRESS」において初めて名を連ねたのが「イシワタの電気鋳造」でした。

電気鋳造とは、硫酸銅を溶かした水槽に型を浸し、電流を流すことによって型の表面に銅を電着、堆積させた後、型から銅を剥がします。最後に表面処理を行い製品完成となります。こうしたユニークな製造プロセスが故、ディテールまで高精度でありながら薄くて軽量な金属に仕上がります。

株式会社イシワタでは、創業以来一貫して電気鋳造による製品開発に邁進してまいりました。その製品ジャンルは多岐にわたりますが、電気鋳造の特性をより発揮できる舞台として、数年前より本格的に取り組み始めたのが「内壁装飾材としての電気鋳造」。弊社製品名称「電鋳地紋」になります。

「内壁装飾材としての電気鋳造」。その特長は以下の通りです。

1. 表現力…和紙や布などの柔らかな素材、幾何学的な模様、桜の花や銀杏の葉。ご希望の、ありとあらゆるものを金属に綾なします。

2. 軽さ…型の表面に、あたかも金属の膜を生成させるかのような製造法に由来します。

3. 耐久性…眺める美しさに加え、触れることができる楽しみも提供します。

4. 文字が組み込める…様々な書体の文字を、背景模様とシームレスに組み込めます。

5. 安全性…不燃材ですので、防火対策にもなります。

6. メンテナンス…推奨方法は、カラ拭きです。手間いらずです。

7. コスト…パブリックな空間をハイグレードに彩る際、電気鋳造はコストパフォーマンスに優れた見積を提示いたします。

既存の内壁装飾材では困難だったアイデアやデザインも、電気鋳造なら解決に導けるかもしれません。内壁装飾材の新たな選択肢として、ご検討いただければ幸いです。

東京、白金台の森に佇む東京都庭園美術館。旧皇族朝香宮邸として建設され、「アールデコの館」としても知られる本建物内の照明器具、風窓覆いなどの透し金物。魚や貝、百合やグラジオラスの花といったデザインが施されたラジエーターカバー(暖房器具を覆う飾り金物)。これらが電気鋳造により作られた歴史は、あまり世に知られていません。

書籍「アール・デコ建築意匠 朝香宮邸の美と技法」(東京都庭園美術館編)によると、「アールデコ様式を取り入れた繊細で緻密な図案が多かったため、複雑な形状の再現を得意とした電鋳(電気鋳造)での制作が適していた」と記されています。その中には、妃殿下ご自身が下絵を描かれたものも多く含まれており、まさしく、「内壁装飾材としての電気鋳造」の歴史を物語る邸宅と言えるのではないでしょうか。

朝香宮邸の竣工が1933(昭和8)年。それから84年の時が流れた2017年夏。多くの人々で賑わう横浜駅7番線ホームに響き渡った「THE ROYAL EXPRESS」発車のベルは、昭和、平成と時空を超え、「内壁装飾材としての電気鋳造」が一本のレールで繋がった そんな瞬間だったのかもしれません。

煌めく旅のはじまりとともに。

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